下関労働教育センターがこの地域が抱える貧困という問題にどのように関わっていくことができるのか。野宿者の自立を支援する人、外国人労働者によりそう人、子ども食堂で活動している人やフードバンクに関わる人たちに集まってもらい、話し合う機会を持ちました。そしてその一つ目の答えとして、2020年11月から子どもとみんな食堂“ロクスひよりやま”がスタートしました。まずは月一回のペースです。一回目は子どもたちはごくわずかですが、応援してくださる子ども食堂の下関地域をコーディネートしてくれている方、市役所の方、新聞社が応援のために来てくれました。そして、地域の高齢者の人々、すぐ下にあるカトリック教会のベトナム人の神父さんがベトナムの青年たちを連れてきてくれました。描いた理想の姿に近づいていける希望を持てる光景でした。
「みんな食堂」としたのは、子どもたちだけが参加するのではなく、その成長を見守る広い世代の方々が、そして外国から来た方々も、世代国籍を超えて一緒に集い交流する場であることを願ったからです。そして、そのような場には、必ず多様性の中に一致を生み出していく風が吹くという意味を込め、ロクス(ラテン語:場の意)と名づけました。
コロナ禍で対策についていろんな知恵を出し、お弁当を持ち帰ってもらうという形を取りながら継続し、子どもの数も口こみで広がり、今は10名を超える数の子どもたちが来てくれるようになりました。そして、一度来た子がリピーターになってくれているので、子供たちにとって魅力的な場になっているようです。
ボランティアとして地域の方々、下関のカトリック教会の信者さんたちや、下関市大の学生たち、犬も一匹参加してくれ、いい雰囲気を作ってくれているのは本当にありがたいです。
皆さまにお願いがあります。このような場所に行ったらいいな、と思うお子さんが身の回りにいらっしゃればそのご家庭にぜひ勧めてみてあげてください。そして、食材等の寄付があれば本当にありがたいです。賞味期限内のもの、農作物などありましたら、ぜひいただけたら幸いです。
あたたかな目で、ぜひ「子どもとみんな食堂“ロクスひよりやま”を見守ってくだされば幸いです。 子どもとみんな食堂“ロクスひよりやま ”実行委員:中井淳(労働教育センター所長)
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